Kelp Whisper Groveが食品として販売している三陸産の真昆布は、スキンケアラインの原料選別と同じ基準で選んでいます。「肌に使えるものは、食べても安心」という逆の発想から、食品ラインが生まれました。出汁用昆布の選び方と、私たちの選別基準について書きます。

真昆布と羅臼昆布の違い

三陸産の真昆布は、出汁の色が淡く、上品な甘みが出るのが特徴です。羅臼昆布は旨味が強く、色も濃い。Kelp Whisper Groveでは主に真昆布を扱っています。スキンケア用のエキス抽出では、アルギン酸の含有量が高い真昆布の方が処方に向いているためです。食品としても、真昆布の出汁は素材の味を邪魔しない点で料理家に好まれます。

選別の基準

佐々木さんから届いた昆布を、アトリエで一枚ずつ確認します。葉の厚みが均一であること、表面に白い粉(マンニット)が均一に出ていること、折ったときにパリッとした音がすること。この三点が、私たちの選別基準です。白い粉はマンニットという昆布由来の糖アルコールで、旨味ではなく甘みのもとです。むやみに多ければよいというものでもありませんが、まったく吹いていない昆布は、私はあまり選びません。

水出し出汁の引き方

Kelp Whisper Groveの昆布で出汁を引く場合、水出しをお勧めしています。昆布10gに対して水1リットル、冷蔵庫で8時間。加熱出汁と比べて、えぐみが出にくく、昆布本来の甘みが引き出されます。沸騰させると昆布の細胞壁が壊れ、ぬめりが出すぎることがあります。水出しで引いた出汁は、冷蔵で3日間保存できます。

料亭・料理家との取引について

現在、定期注文の約半数は料亭や料理家の方からです。最初のきっかけは、2020年に東京の料理家・友人が「これは一等品だ」と言ったことでした。それ以来、口コミで広がっています。法人・業務用の定期注文については、info@kelpwhispergrove.comまでご相談ください。

食品用とスキンケア用の分け方

年に四回、三陸から届く真昆布は、一度の入荷で二百本まで。届いた日は、まずそれを食品用とスキンケア用に分ける作業から一日が始まります。基準はそれほど難しくありません。葉の中ほどの、肉厚で形の整ったところは食品の出汁用に。先端の薄い部分や、収穫のときに少し裂けてしまったところは、エキスを煮出すスキンケア用にまわします。成分そのものに優劣があるわけではなく、出汁を引いたときに澄んだ色と香りがきれいに立つかどうか、という見極めです。だから、捨てる部分はほとんど出ません。

ついでに、家庭で一番出汁を引くときのこと。私はいつも前の晩から仕込みます。昆布十グラムを水一リットルに沈め、冷蔵庫で一晩おく。翌朝それを火にかけ、鍋の縁に細かい泡が立ちはじめたら、沸かしきる前に昆布を引き上げます。あとは火を止めて鰹節をひとつかみ、沈めてから静かに漉すだけ。特別な道具はいりません。最初の一杯を、塩も醤油も加えずにそのまま飲んでみてください。昆布の甘みがどれだけ出ているかで、その日の昆布の出来がだいたい分かります。

昆布の品質は、海の状態と漁師の技術に依存します。毎年同じ品質を保証することはできませんが、その年の最良のものをお届けすることはお約束できます。今季の昆布は、食品ページからご注文いただけます。